2014年04月11日

宅地造成規制法と静岡県がけ条例

宅地造成を行う上で、避けて通れないものが「がけ」への対応です。
平坦な土地の造成では発生しませんが、高低差がある土地では必ずといっていい程、がけ(崖)が生じることになります。
がけ(崖)がある土地に住宅を建設する際には注意が必要です。法的には静岡県がけ条例と宅地造成規制法の制限を受けることになります。「がけ」の定義を浜松市では「地表面が30度を超える斜面部分」とし、「造成」とは「高さ50cmを超える盛土 高さ1mを超える切土」と定めています。

<静岡県がけ条例> 静岡県建築基準条例第10条
  がけの高さ(がけの下端を通る30度の勾配の斜線をこえる部分について、がけの下端からその最高郎までの高さをいう。以下同じ。)が2メートルをこえるがけの下端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置に建築物を建築する場合は、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて安全な擁壁を設けなければならない。

宅地造成規制法と静岡県がけ条例

簡単にまとめると、がけの高低差が2m以上ある場合、がけの始点から30度を超える部分とがけの高さの2倍以内の範囲には住宅は建設できないということです。ただし、がけの上段の場合は住宅の特殊基礎(パイル)等を30度以内に設ければ建築はできます。(土砂が崩壊しても住宅までは倒壊しないという理屈からです)また、許可を受けた擁壁を築造すれば、この制限はありません。既存の旧い擁壁がある場合は、この擁壁が無許可であることが多くありますので確認が必要です。

和合擁壁

次に宅地造成規制法ですが、浜松市では宅地造成規制区域が指定されています。
市街地では中沢〜城北エリアや鴨江〜西伊場、蜆塚〜広沢エリア、富塚〜和合エリア、住吉〜幸エリアが該当します。この区域で一定規模の宅地造成を行なう場合は許可が必要となります。
<宅地造成等規制区域内において許可が必要な造成工事>
(1)切土をした部分が高さ2mを超えるガケとなる場合
(2)盛土をした部分が高さ1mを超えるガケとなる場合
(3)切土・盛土を同時に行う場合、切土盛土をした部分が高さ2mを超えるガケとなる場合
(4)造成(※)をする部分の面積が500平方メートルを超える場合
※ 造成とは…高さ50cmを超える盛土 高さ1mを超える切土
許可を受けた擁壁を築造後に工事完了検査を受けて、検査済証を発行してもらうと、住宅の建築確認を申請できることになります。擁壁工事は費用がかかりますが、がけの崩壊があると人命にかかわる事ですから、くれぐれも慎重に対応する必要があります。

宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-1)
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-2)
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-3)
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-4)
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-5)
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(まとめ-6)


土砂災害(特別)警戒区域の基礎調査結果の公表
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その1)
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その2)
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その3)
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その4)
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その5)
土砂災害(特別)警戒区域の指定(その6)


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Posted by 日本ホームプロダクト(株) at 16:43│Comments(0)お仕事
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