2015年12月02日
土砂災害警戒区域の指定(その1)

今年1月に施行された改正・土砂災害防止法では、従来の土砂災害(特別)警戒区域の指定手順について、現地調査の結果公表~説明会の実施~区域指定という流れに変わりました。これを受けて8月には現地調査の公表が静岡県HPで行われ、先月末から浜松市での対象地区の説明会が順次実施されています。

今回、浜松市役所で行われた土砂災害(特別)警戒区域の説明会に出席してきました。説明会の対象者は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)に指定される場所に居住している方と、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に居住している方および土地所有者です。
説明会では土砂災害(特別)警戒区域の概要と具体的な危険現象(急傾斜地の崩壊)についての説明がありました。急傾斜地の規定は傾斜度が30°以上で高さ5m以上の崖としています。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の指定基準は崖の下端から崖の上端までの高さ(h)を基準として崖の下端側では高さの2倍(2h)までを、がけの上端では一律10mまでの範囲としています。

また、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定基準は下記のようになっています。
(1)土石等の高さが1メートル以下の場合急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動により建築物に作用すると想定される力の大きさが1平方メートルにつき100キロニュートンを超える区域及びそれ以外の区域
(2)土石等の高さが3メートルを超える場合急傾斜地の崩壊に伴う土石等の堆積の高さが3 メートルを超える区域及びそれ以外の区域
土砂災害(特別)警戒区域に指定されると住宅などの建築制限が発生します。また、土地建物の取引きの際には重要事項説明書にて、その内容の記載および説明を行わなくてはなりません。今回の説明会は約1時間というなかでこれらの詳細な説明まで行われませんでした。説明会の趣旨はあくまで「警戒避難体制の整備」とおっしゃっておりましたが、土砂災害(特別)警戒区域に指定されることのデメリットや負担等を丁寧に説明しなかったのは問題の先送りで「臭い物に蓋をする」ようだと感じました。しかし、これで説明会は終わり実施したという実績だけが残ってあとは指定を待つばかり・・・となると多分、出席された方々の十分な理解のないままに事が進むということになるような気がします。指定の可否を巡って説明会が紛糾しなかったことで出席者の理解度が判りますから。 (つづく)
Posted by 日本ホームプロダクト(株) at 17:29│Comments(0)
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