2016年04月04日

建築条件付き土地分譲で行政処分(その4)

・・・・つづきです。

◎建築条件付き土地分譲に係る法律を整理すると

・ 土地分譲(売買契約)・・・宅地建物取引業法(宅建業法)・民法など

・ 住宅建築(請負契約)・・・建設業法・住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)、
                  民法など

・ 建築確認(設計業務請負)・・・建築基準法、建築士法、民法など

◎これらの業務を取り扱うための資格、免許は

・ 土地分譲・・・宅地建物取引業免許(国土交通省・都道府県)

・ 住宅建設・・・建設業許可(国土交通省・都道府県)

・ 建築確認・・・設計事務所登録(都道府県)

大手のハウスメーカーなどはこれら全ての資格・免許を取得しています。

いわゆる建売住宅(分譲住宅)の販売は土地分譲と同じ宅地建物取引業に含まれますので、他の建設業許可や設計事務所登録は必要ありません。また、一般の工務店などは住宅建築のみを扱うので宅地建物取引業の免許がいらないのです。しかし、建築条件付き土地分譲の場合は土地分譲と建物請負がセットとなりますので両方の業務を同じ会社が扱うのため、宅建業と建設業の許可が必要となるのです。

そして業種によっては金銭の授受の上限が設けられています。
宅地建物取引業法では売買契約時(土地・分譲住宅とも)、未完成の時は売買価格の5%以下、完成の時は10%以下(ただし1,000万円以下)が手付金(前受金)の上限となっています。たとえば、1,500万円の土地でしたら完成時では150万円が手付金の上限。3,500万円の建売住宅で未完成時なら175万円が上限となる訳です。これは売主があくまで宅建業者の場合であって中古住宅や土地を個人が売る場合には適用がありません。

建設業法では契約行為が請負契約なので前払金が手付金とは性格が異なります。請負契約行為はいつでも出来高に応じて清算ができることが原則ですから分譲住宅のように未完成だから5%が上限ということもありません。簡単にいえば建設業者は建物請負契約時にいくらでも受け取れるのです。しかし、2009年の富士ハウスの倒産で請負契約時に請負金額の70%もの支払があったことが発覚し、これが発注者の損害を大きくしたことから、2011年に請負契約にもガイドラインが設けられました。
既にお分かりになったと思いますが、分譲住宅では未完成の場合は契約時に受け取れる金額が少ないのに対し、建築条件付き土地分譲では土地価格の10%と建物請負金額の何割かは事前に受け取ることができるという売主業者にとってのメリットがあるのです。
さらに建物着工時には土地代金の残金支払いが行われるのが通例ですから、建築条件付き土地分譲の方が業者にとって投下資本(流動性資産)の回転が良くなるということにもなる訳です。
(つづく)


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Posted by 日本ホームプロダクト(株) at 11:49│Comments(0)時事あれこれ
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