2014年09月08日
宅地造成規制法と静岡県がけ条例(その2)
広島市の土砂災害で、幼い兄弟が犠牲となった住宅が、崖近くに建物を建てる場合に安全対策を求められる広島県の「崖条例」の対象外であったことが問題となっている。これは2軒隣の住宅が「崖条例」対象だったことから、「対象であったら被害を防げた可能性がある」と指摘されているもの。広島県では『崖地』に当たるかは1軒ずつ個別に判断しており、崖地かどうか微妙な地形だった可能性があると説明している。
そこで、そもそも『崖』とはどういう状態ものかという定義が問題になってきます。静岡県では「崖とは、水平面からの勾配が30度を超え、かつ、高さが2メートルを超えるもの」としています。しかし、広島県では建築する崖上、崖下の位置によって高さの規定はあるものの勾配角度の規定はありません。静岡県の30度という勾配の基準根拠は崖が崩落しても自然に安定する(崩落が終了する)斜面角度が30度であることから定められているものです。簡単に言えば30度勾配の斜面は基本的に崩落しないという考え方です。もっとも時間雨量が100mmの環境下であったり、土質にも影響されるので絶対に崩落しないということではありません。
具体的な崖条例による建築制限をみてみると・・・・・
≪静岡県建築基準条例 第10 条≫
がけの高さ(がけの下端を通る30度の勾配の斜線をこえる部分について、がけの下端からその最高部までの高さをいう。以下同じ。)が2メートルをこえるがけの下端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置に建築物を建築する場合は、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて安全な擁壁を設けなければならない。
ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りではない。
(1) 堅固な地盤を斜面とするがけ又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護されたがけで、安全上支障がないと認められる場合
(2) がけ下に建築物を建築する場合において、その主要構造物を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした建築物で、がけ崩等等に対して安全であると認められる場合
≪広島県建築基準法施行条例 第4条の2 ≫
住居の用に供する建築物を建築する場合には、その敷地が、2メートルを超える高さのがけの上にあるときにあつてはがけの下端から、5メートル以上の高さのがけの下にあるときにあつてはがけの上端から、当該建築物との間にそのがけの高さの1.7倍以上の水平距離を保たなければならない。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときには、適用しない。
一 当該がけに係る災害防止工事について、建築基準法第88条第1項による工作物の検査済証の交付があつたとき。
二 当該がけに係る災害防止工事について、都市計画法第36条第2項による開発行為の検査済証の交付があつたとき。
三 当該がけに係る災害防止工事について、宅地造成等規制法第13条第2項による検査済証の交付があつたとき。
四 前三号に掲げるもののほか、建築物の位置及び構造、がけの土質並びに災害防止措置の状況により特定行政庁が建築物の安全上支障がないと認めたとき。

簡単にまとめると、静岡県では2mを超える崖がある場合は、崖上、崖下を問わず、崖の高さに相応して一定の距離(2H:高さの2倍)に居室のある建築物(無窓の建築物、鉄筋コンクリート造の建築物を除く)の建築を法令による擁壁等を設置する場合を除いて禁じています。
一方、広島県では2m超える崖上、5m以上場合の崖上、崖下での住居用の建築制限(崖上にあっては崖下端部から高さの1.7倍の水平離隔距離、崖下にあっては崖天端部から高さの1.7倍の水平離隔距離)がありますが、5m未満での崖下の建築には規制がありません。
つまり、広島県では崖下にあって崖の高さが5m未満の場合は、何の規制もなく住宅を建築することができるということです。これは素人が考えてもかなり危険を感じると思います。勾配規定が無いのも不思議です。『崖』であるかどうかを行政庁(広島市)が一案件づつ判断するというのも理解に苦しみます・・・・・(つづく)
そこで、そもそも『崖』とはどういう状態ものかという定義が問題になってきます。静岡県では「崖とは、水平面からの勾配が30度を超え、かつ、高さが2メートルを超えるもの」としています。しかし、広島県では建築する崖上、崖下の位置によって高さの規定はあるものの勾配角度の規定はありません。静岡県の30度という勾配の基準根拠は崖が崩落しても自然に安定する(崩落が終了する)斜面角度が30度であることから定められているものです。簡単に言えば30度勾配の斜面は基本的に崩落しないという考え方です。もっとも時間雨量が100mmの環境下であったり、土質にも影響されるので絶対に崩落しないということではありません。
具体的な崖条例による建築制限をみてみると・・・・・
≪静岡県建築基準条例 第10 条≫
がけの高さ(がけの下端を通る30度の勾配の斜線をこえる部分について、がけの下端からその最高部までの高さをいう。以下同じ。)が2メートルをこえるがけの下端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置に建築物を建築する場合は、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて安全な擁壁を設けなければならない。
ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りではない。
(1) 堅固な地盤を斜面とするがけ又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護されたがけで、安全上支障がないと認められる場合
(2) がけ下に建築物を建築する場合において、その主要構造物を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした建築物で、がけ崩等等に対して安全であると認められる場合
≪広島県建築基準法施行条例 第4条の2 ≫
住居の用に供する建築物を建築する場合には、その敷地が、2メートルを超える高さのがけの上にあるときにあつてはがけの下端から、5メートル以上の高さのがけの下にあるときにあつてはがけの上端から、当該建築物との間にそのがけの高さの1.7倍以上の水平距離を保たなければならない。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときには、適用しない。
一 当該がけに係る災害防止工事について、建築基準法第88条第1項による工作物の検査済証の交付があつたとき。
二 当該がけに係る災害防止工事について、都市計画法第36条第2項による開発行為の検査済証の交付があつたとき。
三 当該がけに係る災害防止工事について、宅地造成等規制法第13条第2項による検査済証の交付があつたとき。
四 前三号に掲げるもののほか、建築物の位置及び構造、がけの土質並びに災害防止措置の状況により特定行政庁が建築物の安全上支障がないと認めたとき。

簡単にまとめると、静岡県では2mを超える崖がある場合は、崖上、崖下を問わず、崖の高さに相応して一定の距離(2H:高さの2倍)に居室のある建築物(無窓の建築物、鉄筋コンクリート造の建築物を除く)の建築を法令による擁壁等を設置する場合を除いて禁じています。
一方、広島県では2m超える崖上、5m以上場合の崖上、崖下での住居用の建築制限(崖上にあっては崖下端部から高さの1.7倍の水平離隔距離、崖下にあっては崖天端部から高さの1.7倍の水平離隔距離)がありますが、5m未満での崖下の建築には規制がありません。
つまり、広島県では崖下にあって崖の高さが5m未満の場合は、何の規制もなく住宅を建築することができるということです。これは素人が考えてもかなり危険を感じると思います。勾配規定が無いのも不思議です。『崖』であるかどうかを行政庁(広島市)が一案件づつ判断するというのも理解に苦しみます・・・・・(つづく)
Posted by 日本ホームプロダクト(株) at 11:35│Comments(0)
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